近年、ノーコード・ローコードプラットフォームとして注目を集めているBubbleは、アイデアを素早く形にし、ウェブサイトやウェブアプリケーションを構築できる便利なツールです。
しかし、いくら優れた機能を備えていても、実際にユーザーに見つけてもらわなければ意味がありません。そこで重要になるのがSEO(検索エンジン最適化)ですが、中でも「Technical SEO(技術的なSEO対策)」は、検索エンジンにとってウェブサイトを正しくクロールし、インデックス化するための基盤となる要素です。
本記事では、Bubbleプラットフォームで技術的SEOをどのように実践すればいいのか、そのポイントを詳しく解説します。
1.Technical SEOとは
Technical SEOは、ウェブサイト内部の構造や設定を最適化し、検索エンジンがサイトをスムーズにクロール・インデックス化できるようにするための施策です。コンテンツSEOや被リンク対策など、他のSEO施策と比較すると地味な印象があるかもしれません。
しかし、Technical SEOが不十分だと、そもそもコンテンツを正しく評価してもらえなかったり、検索エンジンにページを読み込んでもらえなかったりする可能性が高まります。また、サイトパフォーマンスやセキュリティなど、ユーザー体験にも密接に関わるため、非常に重要な分野です。
2.BubbleでのTechnical SEOの基本設定
Bubbleはコーディング不要で開発できる強力なプラットフォームですが、その分、独自のルールや管理画面の構造があるため、他のCMSとは少し異なるアプローチが必要です。以下にBubbleでSEO対策を行う上での主なポイントを挙げます。
2.1 URL構造の最適化
URLは検索エンジンとユーザーにとって、ページ内容を示す重要な手がかりです。
Bubbleでは「ページごとにURLスラッグを自由に設定できる」機能が用意されています。たとえば、製品紹介ページなら「/product/製品名」のようにわかりやすいスラッグを設定すると、よりSEOフレンドリーになります。
2.2 メタタグの設定
検索結果でページタイトルと説明文として表示されるメタタグ(titleタグとmeta description)は、クリック率にも影響します。
Bubbleでは、各ページのプロパティでメタタグを直接編集できます。ページの内容を端的に表すキーワードを適切に挿入しながら、ユーザーが思わずクリックしたくなるようなコピーを心がけましょう。
2.3 カスタムヘッダーの活用
追加のスクリプトやメタ情報(構造化データなど)を挿入する場合は、「ページごとのカスタムヘッダー」にコードを記述します。Google Analyticsのトラッキングコードや検索エンジン向けのメタ情報を設定する際は、この機能が役立ちます。
2.4 サイトマップの生成
サイトマップは検索エンジンがサイト全体を把握するために利用します。Bubble単体では自動生成機能に限りがあるものの、プラグインや外部ツールを活用してXMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleなどに登録することで、クロール効率を高めることが可能です。
2.5 モバイルフレンドリー対応
レスポンシブデザインは、現在のSEOにおいて必須要件となっています。Bubbleのデザインエディターを使って、モバイル・タブレット・デスクトップなど各スクリーンサイズでのレイアウトを調整しましょう。ページ要素が正しく表示され、文字が読みやすくなるようにデザインすることが、ユーザー体験の向上にも直結します。
3.パフォーマンスの最適化
Technical SEOでは、ページの読み込み速度やパフォーマンスは極めて重要な指標です。
Bubbleを利用する場合でも、以下の点に注意することでサイト全体のパフォーマンスを向上させられます。
3.1 画像・メディアの最適化
大きすぎる画像は読み込みを遅くする最大の要因の一つです。あらかじめサイズを調整したり、圧縮ツールを使ったりして、画像の容量を削減しましょう。必要に応じてLazy Loadを導入すれば、ユーザーがページをスクロールしたときにだけ画像を読み込む仕組みにでき、初期読み込みを高速化できます。
3.2 プラグインの管理
Bubbleではさまざまなプラグインが利用できますが、インストールしすぎると不要なスクリプトやリソースが増えてしまい、ページの表示速度に悪影響を与えます。本当に必要なプラグインだけを厳選し、利用しなくなったものはオフまたは削除するなど、常に最適化を意識しましょう。
3.3 キャッシュの活用
キャッシュをうまく利用すれば、再訪問時のページ表示速度を大幅に向上できます。Bubbleはサーバーサイドのキャッシュ設定を一定程度提供しており、ブラウザキャッシュなどと組み合わせることでより高い効果を得られます。
4.構造化データの実装
検索エンジンがサイトの内容をより深く理解し、検索結果でのリッチスニペット表示を可能にするのが構造化データ(Schema.orgやJSON-LDなど)です。
Bubbleの「ページごとのカスタムヘッダー」や「HTML要素」を活用すれば、JSON-LD形式で構造化データを埋め込むことができます。製品の価格やレーティング、イベントの開催情報などをマークアップしておくと、検索結果でより豊かな表示が期待できます。
5.継続的なモニタリングと改善
Technical SEOは、一度設定して終わりではありません。
Google Search ConsoleやBing Webmaster Tools、サードパーティーのSEOツールを利用してクローラーエラーやインデックス状況を定期的にチェックすることが大切です。
もしエラーが報告された場合は、Bubbleの設定を見直し、不必要なプラグインを削除したり、URL構造を修正したりするなど、継続的にメンテナンスを行いましょう。
まとめ
Bubbleで構築したウェブサイトやアプリケーションを成功に導くためには、技術的なSEO施策の実装が欠かせません。
URL構造やメタタグの最適化、パフォーマンス向上のための画像圧縮やプラグイン管理、HTTPS化や構造化データなど、取り組むべきポイントは多岐にわたります。
しかし、これらの施策を順次適切に行うことで、検索エンジンの評価を高めるだけでなく、ユーザー体験の向上にもつなげることができます。
ウェブサイトやアプリケーションの成功には、集客とコンバージョンの両方が不可欠です。Technical SEOはその両方を底支えする重要な要素と言えるでしょう。Bubbleの強力な機能を最大限に活用し、今後の運用でも定期的にモニタリングと改善を行いながら、質の高いサービスやコンテンツを提供していきましょう。